賢い家作りへの道

住宅に関する基礎知識、お役立情報を発信していきます。

窓の種類編

窓は、採光や通風、換気の役割と共に、家の中からの眺望、家の外からのデザイン的要素にもなります。今回は、住宅に使用される窓の形状とそれぞれの特徴について説明致します。

1.横引き窓

日本においては、最も馴染み深い形状で一番使用されている形状です。名前の通り横にズラらして開閉します。

横引き窓の中でも、左右どちらも動いて開けられるものを「引き違い窓」、どちらか1枚が固定され片方のみが開けられるのを「方引き窓」と呼ばれます。また、足元に段差がなく、窓から外に出られる形状を「掃き出し窓」、逆に下部に腰くらいまで壁があり出入りはできない窓を「腰高窓」と呼びます。

窓枠内での移動なので、閉めた時の気密性・止水性が高いと言えます。

2.上げ下げ窓

横ではなく上下にスライドさせて開閉するタイプの窓です。北欧や北米でよく使われるもので、上下2枚とも動くものを「ダブルハング」、片方だけが動くものを「シングルハング」と呼びます。

形状的に、横幅が大きい窓にはできませんが、上下方向にはそれなりに大きい窓にでき、上下の開口での換気をすることができます。また横引き窓同様に窓枠内での移動なので、閉めた時の気密性・止水性が高いと言えます。

3.フィックス窓(はめ殺し窓)

フィックスすなわち固定されて開閉ができない窓のことです。採光は取りたいが手が届かないところ、窓が大きすぎて動かせない場合、逆に小さすぎて開閉がとれない場合などに使用されます。

通気はできませんがその分、丸型や横長・正方形、非常に大きい形状、小さい形状、ガラスブロックを使用するなどこだわることができるので、個性的な外観やインテリアデザインをしたい場合にも使用されます。

4.滑り出し窓

窓枠の溝に沿って、窓が外にでる形状のものです。枠の左右の溝に沿って下側が外に飛び出す形状のものを「横滑り出し窓」といいます。窓を開けたときに、庇のようになり、雨が吹き込まず通風を確保することができます。

また、上下の溝にそって左右どちらかが飛び出すものを「縦滑り出し窓」といいます。

防犯対策として、一定の角度以上に開かないようにストッパーが付いているものや、開け方もレバーがあって押し出すものや、ハンドルのようにくるくる回して開けるものがあります。

5.内倒し窓

窓の下辺を軸に、部屋の内側に倒すタイプの窓です。障害物があったり、人が通行するなど窓を外に出せない場所や、手が届きにくく外に窓を出すと閉められない場所等に使用します。また腰よりも上の位置につければ、他の形状の窓よりも落下防止の働きが期待できます。しかし、部屋の内部に窓があると少し狭く感じたり、身体にあたって怪我をすることも考えられます。また止水性能もよいとは言えないでしょう。

6.回転窓

2点を固定した回転軸をもって開閉します。金具が少ない分、掃除がしやすく気密性が高いと言えます。欠点は、外にも内にもとびだすので、網戸やブラインド、カーテンとの納まりが難しくなります。

7.押し出し窓

外に向かって押し出すように開放する窓のことです。そのまま真っ直ぐに飛び出すタイプや、少し傾きをもつタイプもあります。

8.ルーバー窓

水平に重なった複数の細長いガラス板が、ルーバーの形状をしており、ハンドル操作で開閉する窓のことです。ジャロジー窓、ガラリ窓とも呼ばれ、同じ面積でも開口率が高いのが特徴です。しかし、閉鎖時にもガラスとガラスの間の気密性が悪いことや、複層ガラスにできないため、断熱性能は期待できません。

9.オーニング窓

ルーバー窓のガラス1枚1枚を窓障子とし、欠点を補った窓です。開口率が高いことや、断熱性能を持たせることができること、通風の調節ができることが特徴です。

10.開き窓

左右どちらかを軸に開閉するタイプの窓で、欧米や北欧では一般的なタイプです。 洋風なデザインにする場合に使用され、カラフルなものやデザインにこだわったものもみられます。欠点としては、外に飛び出す部分が大きいため、隣地や道路が近い場合には使用できません。また風にあおられることも考えられます。

11.折りたたみ窓

 折れ戸のような窓で、開口部を大きく開くことができます。リビングなどの内部空間とデッキ・テラスなどのアウトドアスペースを一体化させ大きな空間として利用したい場合に適しています。また、足元の段差をなくし、外部側にスロープを設けて車椅子等で出入りすることを目的にしたものもあります。

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